奏〜君に届けたくて〜

「よっしゃー。やあっと琴葉ちゃん、自分の言葉で話してくれたー」

「ほんと。二ヶ月も頑張って笑わせようとした甲斐があったよねっ!」

「俺のティンパニの叩き方でも誘えなかった笑いを。よくやったな。奏士」

「琴葉ちゃん。笑った声と顔。すごく可愛かったわよ」



みんな、口々に。


茶化すわけでもなく。




「おっ。だよなぁーりんね。やっぱ、琴葉ちゃんは笑顔でいた方が可愛いってー」



……やられたな。

こんな風に。"笑った私"を受け入れてくれるなんて。











ますます、私はみんなに心を許しちゃうじゃない。