フルートのリッププレートから、浜野 千羽が薄い、ピンク色の唇を離した。


「すごい……すごいっ!私、飯塚さんとお話しちゃった!!」

きゃー!と騒ぐ浜野 千羽。

「ねえねえ、みんな聴いてた?聴いてた?すごくない?!」

「ほらなー、やっぱ俺、見る目あったでしょー?」

「確かに……ここまで"会話"している演奏は初めてだわ」

「ね?ねっ?!あーすごい……ありがとう、飯塚さん!

これで私たち、友達になれたよね!」