「何って。俺は、ただ……」

急に歯切れが悪くなる奏士。

「……あいつ。クラスに馴染んでなかったろ?」

それは、そうだけど。ていうか。



その情報も、飯塚さんが授業抜け出したことも、私がリアルタイムで奏士に連絡して知らせていたのだけれど。

私がクラス一緒なのを聞いた途端、教えろってしつこくてさ。



「俺たちでさ。あいつの心、開いてみたらどうかなーって」





わかった風なことを言う奏士。

なんか、変な理由だよね。