「……飯塚さん?」


可愛らしい声で、遠慮がちに尋ねて来たのは。


「ごめんなさい、うちのリーダーが勝手なことを……」

クラスメートで。確か、初日に声を掛けようとしてくれた

浜野 千羽だった。



別にいいんです。というニュアンスで首を横に振る。

「私達も、ごめんなさい。飯塚さん、一人で練習したいんでしょう?隣の音楽準備室で私達吹きますから」



と。気を遣って、あの男もろとも部屋から退散してくれた。