「琴葉ちゃん疲れちゃったのかなー」

ええご名答。あんたのせいでね。

「しょーがない。んじゃー練習始めますかー」



ねえやめて。

衰弱しきったこの私が見えないのかしら?



……見えないらしい。

橘は棚に置いてあった楽器ケースを開きだし、慣れた手つきでサックスを組み立てていった。