「……どうしてこうなったの」

「いやあー俺に聞かれてもねー」

これはその翌日の会話である。

少しだけ傾いた日が差し込む旧校舎の元音楽室。

そこに私"たち"はいる。のだが……

「……説明して」

「え?どのへんを?」



全てだ。


悪いけど私はここにあるもの起きていること全てが理解出来ていない。


ここは昨日までは普通の旧校舎の元音楽室。

ピアノだけがある殺風景な部屋だった


はずだ。間違いなく。

それが、どうだ。


ピアノ椅子の上で少し背伸びをして周りを見る。

右、パーカッションセット。ご丁寧にスネアからティンパニまで一式揃えてある。そして何故かドラムセットもある。

左、真新しい棚。楽器を置くスペースだろうか。いつの間に来たのか橘のサックスケースが置いてある。


いやまてまて。


そして、正面。


忌々しいその笑顔でにこやかに立っている橘と、女子二名、男子一名。


本当、何考えている、こいつ?