「だって、大好きなことちゃんからの言葉だよー。そりゃあ大事にしますよー」



さらりとそういいのける奏士は、


昔みたいなか弱いそーくんじゃないけれど。




「てかさー、幼馴染に気づかない上に本人の前で元、幼馴染ーなんて言っちゃうのって、酷くないー?」


「そーくんが金髪のチャラ男になってるなんて、夢にも思わないし!!」


「なにそれー。あの時俺、ことちゃんに地毛少し見せたよなー?」


あの時。まだ幼かった私たちは、二人きりの教室で。


「『ことちゃん、これが俺のほんとの髪』ってさ」



薄茶色の、黒に染まっていないきれいな髪の毛を見せてくれた。



「……あれが金髪なんて思わなかったし」

「あらぁーこの期に及んでツンツンしちゃいますかー」

「からかわないでよ!」

「可愛い可愛いことちゃんをからかうなとか無理だしー。それに……」