「今まできづかなくて、ごめん。あの時、傷つけてごめん。本当は、そーくんに今度会えたら、謝って、サヨナラしようと思ってたんだ」


そーくんが肩をふるわせた。



「でも、今の私は、サヨナラしたくないの」


傷つけたのに。身勝手だったのに。



……こんなに、情けなくなったのに



「私に、今まで接してくれたこと、全部全部、嬉しかったんだ」


そーくんの目が少し見開かれる。



「私は、わがままで。ずるくて。そーくんに言葉を伝えようとしなかったけど」

そーくんは、じっと私を見て、私の言葉を待ってくれている。



「あの時から、私はずっとそーくんを想ってた。つらいことがあって、言葉を表に出さなくたってから高校で出会った橘 奏士に、私は、恋、したんだ」



息を、吸い込む。




ちゃんと、そーくんの瞳をみて。