奏〜君に届けたくて〜

その言葉で、体の芯が一瞬で冷えた。





「琴葉がちゃんと話してくれると思ってた。違ったな。俺にはさっぱりわかんなかったよ」


冷たい口調。

いつもみたいに間延びしない話し方。




「いつまで経っても甘えてんなよ」




冷たくて。冷たくて……




こんなの、橘じゃないって思ってしまった

けど


……いつから、立場が逆になっちまったんだろーな。と橘は呟いて。