「……わかった」

緊張がとけてふい、と下がった目尻は柔らかくて

「じゃーまた、放課後な」

橘はくしゃりと自分の髪をかきながら、私の横を通り過ぎていった。

改めて見ると、本当に綺麗な髪の色だと、つくづく思う。


陽の光にすけて薄茶色にすら見えるその揺れる金髪を、しばらく私は見つめてしまっていた。