『琴葉ちゃんの中の、奥の奥の想いも』



想い。


『私が今の話を聞いてて、琴葉ちゃんを見ていても思ったことなんだけどね。想いを、自分の中から見つけてごらん』


りんねさんはそれが何なのか、言葉には出さなかった。

「……でも私、今自分自身が、よくわからなくて」

『大丈夫よ。琴葉ちゃんの今の"恋人"は誰?』


「…………ピアノ」

『そうね。最後に、今の恋人の力を借りて、見つけるといいわ』


最後に、という言い回しは少し引っかかったけれど。





「最後に、ですか」


『だって、ね。そうなるんじゃない?"恋人"としては』




心の奥の奥の私はもう、気づいていたんだと思う。