奏〜君に届けたくて〜

沈黙。静寂。




…………重たすぎる。






「…………と思ったのに」

ぽつり、と。橘はは何か言った。

「え?」






「いや、何でも……なによーそのゲテモノを見るような目は」

「ゲテモノじゃん」


即座に突っ込んでしまったけど。


橘がふっと笑ってくれたから、少し安心した。


「送るよー」


「、は??」



「だから、送るってー。駅までさ。暗いし……まあ、その。俺の後ついてくるだけでもまーまー安心でしょー?」