千羽が何かを言いかけて、はたと息をのんだ。

ちらり、と。私をこっそり伺った





……つもりなんだろうけどさ。

バレてる。対馬さんに思いっきりバレてる。


バレてるけど。言っても大丈夫よ、と。目で合図する。



「私たちね、旧校舎の元音楽室でね、毎日練習してるんだー!」


「あ、そうなんだー……って。"私たち"って、誰?」

「えっとねー。私でしょー。琴葉でしょー。奏士でしょー。りんねちゃんでしょー。あと由羽くん!」

指をおりながら可愛らしく答える千羽。

言い切った後のキラキラ感がはんぱじゃなかった。おー、よしよし。心の中で千羽をなでる。


「へぇーそっかぁ」

対馬さん、ニヤニヤ

「な、なによ。つっしー」

千羽は頬を赤らめて



…………ん?

「どうかしたの?千羽」



「ぅふぇ?!」



変な声が出てる。それでも可愛いけど。



「あれ、飯塚さん知らなかった感じ?






千羽は、由羽くんが好きなんだよー?」


なんと!!!!