奏〜君に届けたくて〜

「あんなの、橘が私を助けたうちにははいんないしー!!」

「へぇへぇ言ってろー!今に俺様がお前のかけがえのない男になってやるからなー!」

「口先だけなのもいい加減にしろ!」

「はぁー?!そっちこそ……っ」


勢いよくピアノ椅子から立ち上がった私は、そのままよろけてしまって



「っぶねー」


橘が、後に回って支えてくれた。




「…………ありがと」

「どーいたしましてー」

「……その腰に添えてる手、どけてくんない?」

「んー?なにー?」


ムカつくなぁ。いちいち


「私の腰に、触ってるあんたの手。どけて」


「んー?聞こえないなぁー」