『金賞、飯塚 琴葉』



その言葉に、私は特に驚きもせず、立ち上がってお辞儀をした。

会場のざわめきはものすごいけれど。

……無理もない。まだ小学校五年生の少女が、日本全国からの小中学生が競ってやってくるこの全国大会で、優勝したのだから。

今まで全く無名だった私は、いわば師匠の秘蔵っ子。

この時のために、同年代の子達とは比じゃない程の練習を重ねてきた。



結果が出せた私は、すごく鼻が高かった。

おめでとう!って。何人もの人に声をかけてもらえて。

日本のジュニアコンクールを制覇した時は、君は紛れもない天才だと、言ってもらえて。

海外のコンクールでも優勝した時は、{She is really goddess.}……本当に女神様だと、審査員に評された。