―コンコン


「やす~!電話鳴ってるよ~」



「ん~?分かった。そこに置いてて!」



数分後、泰志が携帯を手に部屋に戻って来た。



「…誰からだった?」



「うん…?姉貴」




私の質問に泰志が答えた。




泰志の嘘つき…




光った携帯と一緒に流れた曲が頭の中で流れてる。




だって泰志が悪いんだよ…






携帯を開いて置きっぱなしにしてたんだから…。






『佐山 響子』




お姉さんじゃない。



泰志が、片思いしてた


『彼女』――。