「俺は、水島の娘は勘弁だが、そこのお嬢さんも良いとは一言も言ってないぞ」
微笑みながらもどこか冷めた言い方に、私も真紀さんも凍り付く。
「どういうことだ。俺と里桜のことはもう調べているんだろう?」
「あぁ、調べさせた」
それは興信所とかにってことだろうか?
いつの間にか身の回りを調べられていたことに寒気がした。
「なんの問題もないはずだ」
「ないよ。つまらないくらいに、平凡な娘さんだ」
平凡と言われて少し傷つくがその通りなのでなにも言えない。
「だからと言って、その彼女と結婚を認めるかは別の話だ」
結婚!? 付き合いだしたばかりなのに、話が大きく飛んでいるようで目を丸くするが、隣の真紀さんは表情1つ代えない。



