「水島から連絡をもらったんだよ。うちの麗香がお宅の真紀君と結婚したいと話している、真紀君には良かったらうちの病院を継いでほしいと」
どこか面白そうにお父さんは話す。きっと麗香さんは自分の父親に泣きつき、真紀さんのお父さんから真紀さんを説得してほしいと考えたのだろう。
「お前、水島のとこの娘と付き合ってたんだな」
「研修医の頃、半年だけだ。あの性格に嫌気がさしてすぐに別れた」
そうだったのか、と真紀さんを見るとお父さんも噴き出して笑っていた。
「女好きのお前が降参するくらいだもんな。俺もそんな娘がうちの嫁になるのは勘弁だ」
「じゃぁ、もういいだろう?」
そう言って真紀さんは私の腕を掴んで立ち上がらせようとする。



