愛されざかり~イジワル御曹司の目覚める独占欲~



そしてすぐにガチャッと扉が開く音がした。音に反応して立ち上がって振り返る。
てっきり真紀さんのお父さんが居ると思っていたが、そこにいた人物に驚愕する。


「真紀さん!?」


入ってきたのはスーツ姿の真紀さんだった。


「里桜。お前も呼ばれたのか」


真紀さんはため息をつきながら、私の隣に座る。
ジャケットをビシッと着こなしたスーツ姿に一瞬見惚れていたが、真紀さんの険しい顔にハッとする。


「真紀さんも呼ばれたんですか?」
「あぁ。わざわざクリニックに迎えがきてさ。こっちは急遽閉めなきゃならなくなった」


忌々しそうにする真紀さん。本当に突然連れてこられたのだろう。