それに、と続けた。


「麗香さんはなぜ私に別れるように言ってくるんですか?」
「は? 当たり前でしょう! 貴女が別れてくれなきゃ真紀は……」


そう言ってハッとした表情をする。
そうだ。私が真紀さんを諦めなければ、彼は自分の元へ戻らないと思っている。
彼に心の痛手を作り、そこに漬け込むしか方法が見つけられないのではないだろうか。

麗香さんは自分でもそのことに今、気が付いたようで、悔しげに唇を噛んだ。


「麗香さん。私ではなく真紀さんに正面からぶつかってください」
「なにそれっ。勝ち目はないとでもいうの!?」
「はい」


アッサリと私が肯定したことに目を見開いて驚いてからキッと睨み付けてきた。
怖いけどここで怯まないようにしなければ。