表情とは裏腹に優しい声で聞いてくる藤堂先生に涙が溢れてしまった。 本当、タイミングがいいのか悪いのか。 「先生、私はどうすれば良いですか?」 「里桜……?」 「私、医学会の事とか難しいことはわかりません。藤堂先生とずっと一緒にいたい。でも、私や先生の意思は必要ないならこの先どうなるんですか?」 顔を手で覆いながら問いかける。 肩に藤堂先生の温かい手が振れ、「とりあえず、クリニックに戻ろう」と促された。