「里桜ちゃん。実はさっきね、真紀から三人で話したいって電話があったんだ」
「え? いつの間に」
隣にスワル藤堂先生を見上げると、「お前が会計して俺が着替えに戻ったとき」と答えた。
「まず俺の話からしていいかな?」
心さんはコーヒーを半分まで飲んでから、微かに微笑んで言った。
「里桜ちゃん、俺とは別れよう」
「え……? 別れる?」
「そう。でも別れるって言うほど付き合ってもいないし、深い仲にもなってないけどね」
「どうして?」
明るく話す心さんに対して、私は唖然としてしまう。
「里桜ちゃんが俺を好きになることはないならだよ」
その一言は私の胸に大きく突き刺さった。



