「山下くん。好き」 好きとか言われても困る。 「ごめん」 一応誤っておく。 「あ、あたしの方こそ。じゃ、ばいばい」 女子は悲しそうに笑って走って行ってしまった。 「なんなんだ?」 首を傾げながら教室へと戻る。 俺の名前。 山下満広(ヤマシタ ミツヒロ) 高校2年の男子。 普通の高校に通う、普通の高校生。