松崎先生は、どこかに電話をかけ、電話が終わると、私の背中をまたさする。


「大丈夫、大丈夫」


先生の言葉がやけに大きく耳に響いた。


「……っ!」


三度目の視界が、大きく揺れる。
今までで一番大きく揺れ、私は耐えられなかった。




ーーバタンっ!



「佐伯!!!」


私の体は床に大きく打ち付けられた。


”大丈夫”って言いたいのに、目もあかず、口も動かない。


弱いなぁ、だめだなぁ。




ごめんね、先生。
私、頑張れなかった。




意識を保つのも精一杯の中、私は「大丈夫だからなっ!」


先生のその言葉を最後に、意識を手放したーー。