「いや、行きずらい」


先生に行くのは気が引けた。



信じてないとかじゃなくって、相談する勇気がなかった。


でも、先生とはお話したくて。

矛盾している自分がいた。




「でも、このまま期末まで勉強しなかったらまずいじゃん?」


「まぁ、ね…。」




やっと勉強する習慣がついたから、このままこれは習慣化させたい。

でも、どうすればいいか分からなかった。




「あっ、わたしお昼職員室行かなきゃ行けないから先ご飯食べてて〜」


「わかった」



何かを思い出したかのように手をパンと叩いた凪紗の言葉に、わたしは二つ返事をした。


珍しいな、凪紗が職員室なんか。

そう思いながら、ちゃっちゃと着替えを済ませると2人で更衣室をでたーー。



***



六限の数Bの授業が終わると、みんなが一斉に帰り支度をし始める。


わたしも、問題集やノートを片付けていると、前の方から「佐伯〜」と私の名前を呼ぶ先生の声がした。




「なんですか?」


毎度おなじみ出席簿をつけている先生のところへ駆け寄ると、顔を上げた先生。


……相変わらず、カッコイイ。



「ホームルーム終わったら、職員室来て。」


「あっ、分かりました。」