蒼「龍華ちゃん、最近明るくなったね。」
龍「そうですか?
毎日、柊と光希が笑わせてきて
表情筋が限界突破しそうなんですが…。」
蒼「でも、ちゃんと笑えるように
なったってことだよ。
女の子は笑顔が1番だからね!」
龍「が、頑張ります…。」
今まで、人との関わりが
ほとんどなかった私にとって、
最近のこの状況は少し疲れる。
でも、人のことを考えずにいた時は
つまらなかった。
1人でいると嫌でも
過去の記憶が
蘇って、
どんなに辛くても
涙を流すこともできない。
ただ締め付けられるような
胸の痛みに耐える。
そんな毎日が、桜月に出会って
こんなにもめまぐるしく変わった。
このまま桜月のみんなと、
平和で幸せな日々を送れたら
どんなにいいだろう。
でも、昔の自分も同じことを祈って
最後には大切な人の手によって、
全てが壊れた。
それが、何よりも怖い。
蒼「…龍華ちゃん、大丈夫?
体調悪い?」
龍「…え?あ、ごめんなさい!
全然大丈夫です!」
蒼「そう?ならいいんだけど…。
相談したいことがあったら
気軽にしてね。」
龍「あ、ありがとうございます。」
心配させてはだめだ。
また昔と同じことが桜月に起きたら…
そう考えたら、冷や汗が出た。
桜月の存在が、
私の中で大きくなっていること
に気づいた。
このままでいいのだろうか。

