「カピパラ首相がいなくなったんなら、赤鉛筆は元に戻しませんか?」
アリスが言いました。
「いやいや、あんな重いマンホールを運んだ苦労を無にはできませんよ」
とヌートリア先生。
「巨大水槽を修理するのにたくさんお金をつぎ込んだし、もう動き出してるし、いまさら止められたんじゃ大損ですよ。大損。何にもわかってないな」
とサル社長。

「もう、頭固いんだから!」
アリスたちはヌートリア先生とサル社長をバスに乗せて工場の海へ連れて行きました。
真っ赤に汚れた岸壁や海を見て、
「全世界の海の面積で比較すると米粒ほどの影響もないですよ」
とヌートリア先生が言うと、海に飛び込みました。
さすがヌートリアは泳ぎがうまい。そして、
「影響は限定的だな」
と言いました。

沖ではクジラやイルカさんも顔を出して心配そうに見ています。