アリス@21世紀初頭の関西

アリスは扉を開けて入ると言いました。
「赤鉛筆だけの授業はイヤだわ。
赤鉛筆で落書きしてても楽しくないし。
それにヒビの入った水槽にマンホールを入れているせいで海が汚れているのもイヤだわ」
「子供は先生の言うことを聞いていればいいんだよ」
とヌートリア先生がジャガイモを片手に言いました。

「ワシもイヤじゃな」
とアリスのポケットの中からムカデじいさんが出てきて言いました。
「老いては子に従えって言うでしょう、ねえ」
とカピパラ夫人が真珠の首飾りを両手に言いました。

「ボクもやだな〜」
と大食らい猫がいいました。
「従業員は黙って働いてればいいんだ!」
とサル社長がバナナをかじりながら言いました。

「オレもやだね」
カラスさんが言いました。
「税金も払えない貧乏人は言う権利はありませんね、うん」
とカピパラ首相が壇上のイスにふんぞりかえって言いました。

「ワイもいややで!」
とロンちゃんが言うと、体育館はギャアギャアと怒号が飛び交いピリピリした緊張感が全体を包みました。