「ルイス兄ちゃん、お話してよ」
「なるべくくだらくて、なるべくどうでもよくて、ぜったい役に立たない、ツッコミどころまんさいのお話にすること、だよ!」
「大丈夫よアリス、ルイス兄さんの話はいつだって役になんか立ったことはないから」
「それは話す相手に合わせて話をしているだけですよ」
「まあ、ひどいルイス兄ちゃん!」
ルイス兄ちゃん……。

アリスは小さい頃から姉妹でお隣のルイス兄ちゃんの部屋に行っては話をせがんだり、
棚のマンガを読ませてもらったり、
いっしょにテレビゲームをやったりしてたことを思い出しました。

でも、お姉ちゃんが中学に入った頃くらいからあまり行かなくなって、
それからすぐにルイス兄ちゃんは就職して家を離れたのでした。

お姉ちゃんが中学に入りたての頃、
「ルイス兄さんの作る話は、結局は作りものの話だから」
って言ったのを今でも妙に覚えているアリスでした。