アリス@21世紀初頭の関西

その巨大な水槽の部屋を出たところで、
「アリスさん〜」
と聞き覚えのある声がしました。
ヘルメットをかぶり作業着を着てはいますが、全身の毛はボロボロでほぼ抜けている悲惨な姿は、
「あなたは、大食らい猫?!!!」
全身緊張させて身構えるアリスです。
「まあ、そんなに警戒しないでくださいよ〜。
腹減ってないときは普通なんですから~」
「もう話しかけないで! なんでここにいるのよ!」
「だって、ここの社員ですから」
(!)
「あ、お父ちゃん」
見学の小さな子猫が手を振ると、大食らい猫も笑って手を振りました。
(!!)

それから大食らい猫は、大きなバケツを持って外に出て行きました。

アリスは何をするのか気になって後をつけて行きました。