アリス@21世紀初頭の関西

「この栄誉ある卵をあなたに進呈したい」
「わぁーいいこと」「うらやましい〜」
「なんなのですか?この卵は」
「いや、これはいわゆる卵ですよ」
「あなたが産んだ卵なんですか?」
「オレは産みませんが、単なる卵ですよ」
「どうしたらいいんですか?」
「ふ化するまで預かってもらえればと」
「あずかって」
「あずかって」
とピーチクパーチク口々に言い出しました。
「え? ヒナをかえすんですか? 
無理ですよ。鳥ではないですもの」
「大丈夫、温めていれば勝手にふ化しますから」
「すぐにどこかにぶつけて割ってしまいますからムリですよ」
「大丈夫、このガチャポンの容器に入れておきますから絶対に割れませんよ」
容器に入れてカンカンとテーブルに落としてみせるカラスさん。