アリス@21世紀初頭の関西

「あ、ああ、じゃあマンホールを持って行って何に使うのかわかりますか?」
「マンホールを持っていくじゃと? 
そりゃきっと赤鉛筆を作るためじゃな」
「え? 赤鉛筆? マンホールですけど?」
「今時の若いもんは何も知らんのじゃな」
ムカデじいさんはがぜん元気が出て来たようで、
おもむろに手元にあったキセルに火をつけて、ふーっと一息ついて煙をくゆらせると言いました。
「マンホールは鉄で出来ているじゃろう。
その鉄で赤さびができるじゃろう。
その赤いのが赤鉛筆の原料になるんじゃよ」
「ええ? なにか茶色の色鉛筆ができそうなんですけど」
「関西エンペツの奴らがまた動き出したのかな? 
こりないやつらじゃ」
「関西エンペツ?」