はぁ、はぁ、





いきなり飛び出してきちゃった…。
この後どうしよう…。





考えながら歩いていると、見覚えのある所に着いた





あれ?ここ知ってる。
確かここ、秘密基地があったような…



そこは神社だった。


この神社は古くからの伝統ある神社で、祭り行事などが有名な神社だ。




確か小学生の時、ゆきくんと遊んでて迷子になって、それで…



それでどうしたんだっけ…?



迷子になった私は泣いてて、そしたらゆきくんが…



そうだ、ゆきくんが見つけてくれたんだ




それで私に教えてくれたんだ








えーっと確か、ここを真っ直ぐ行って左行って、ずっと進むと…




あっ…

「あった…」


私とゆきくんだけの、特別な秘密基地。


ゆきくんが教えてくれた、秘密基地。


その秘密基地には大きなヤマザクラの木が立ってて、少し奥に行くと海が見えて、夜には満点の星空で…


私とゆきくんの、思い出の場所。



まだあったんだ…



今は夕方で、桜の横に座って海を眺めると、水面がキラキラ輝いていて、くすんだ私の世界を、少しだけ輝かせてくれている気がする…。






目を閉じると、自然と涙が流れた。