わたしの通う学校には"魔性の男"と呼ばれる人がいると、友達のかよちゃんが言ってた。



多分、それは今目の前にいるこの人のことなんだと思う。




「大丈夫?」



微笑んでわたしに手を差し出してくれる人はまさしく"魔性"。



今まで見てきた男の人の中で群を抜いてかっこいい。透き通った白い肌、すうっと通った鼻筋、奥二重の切れ長の目に、左側の涙袋におまけのようについたほくろ。



そして、性格も優しいらしい彼は全てを兼ね揃えているのではないかとさえ思ってしまうう。