「あ、あぁなんでもねーよ」


「?はい、私、頑張りますね」

「おう」


小雪は土方に背を向けて廊下に出ていった。


一人残された土方は口元に手を当てる。





「ったく…あんな顔されたら守りたくなるじゃねーか」


土方はふっと笑みをこぼす。
と、そこへ、


「珍しいですねィ。鬼の副長がそんな顔するなんて」

「チッ…てめぇかよ。なんだ急に」


土方の横に来た総悟はニヤリと笑う。

「…惚れたんですかィ?」

「ばっ…ちげーよ!」


総悟はニヤニヤしながら廊下へ出ようとする。
と、その足を止め、土方の方へ顔を向けた。


「ま、俺は翡翠のほうを守りやすんで。そっちは頼みますぜィ」

そう言い残し出て行った総悟。

「…お前こそ惚れてるだろうが」

土方はやれやれと頭を振った。