「!」

玄関の方から物音が聞こえ、小雪だと気づいた翡翠は部屋から出る。

正直、外へは出たくない。
しかしこの真選組においてもらっている身なのでできることはするべきだろう。

「(あれ、もう出たのかな…)」

玄関には誰もいない。小雪の靴もない。



靴を履いて外へ出ると、小雪が門の外に見えた。
ほっとして小雪に近づく。


「すいません、遅れました…」
「あ…翠ちゃん…」



振り向いた小雪を見て、翡翠は首を傾げた。
少し顔色が悪い気がする。


「あの、疲れてるんですか…?」

「え?あ、いや、違うよ。ちょっとね」

さぁ行こうか、と笑う小雪に、翡翠はただ頷いた。