「・・・明日から、フード外すよう言ってくれやせんか」


「え、え?!いや、だからあの子は・・・」


「外見で判断するような奴がいたら俺がたたっ斬ってやりまさァ。・・・少なくとも、俺はあの姿、嫌いじゃありやせん」

近藤さんの目をしっかり見つめそう言うと、近藤さんは長いため息をついた。

「あー・・・まぁわかった。でも本人次第だからな」


「わかってまさァ」

俺は近藤さんに頭を下げると、部屋から出た。

ふと、あの時のことを思い出す。
初めて翡翠のフードを取った姿をみたときのことだ。


自分でも無意識に綺麗だ、と思ってしまった。


風になびくあの髪や、美しい金色の瞳も。
息を呑むほど神秘的で、儚げだった。


「まさか俺が、綺麗だ、なんて思うとはねェ・・・」

俺は静まり返った廊下を歩き続けながら、そう言った。