「なんでフード取らせないんですかィ」


俺が問うと、近藤さんは悲しそうに目を伏せた。

「あの子はな・・・変わった外見なんだ。普通の人間とは全然違う。」

「知ってますぜィ」


俺の言葉に、近藤さんはえっ、と目を丸くした。


「薄紅色の髪に金色の瞳。ありゃ確かに普通じゃねェ」


「・・・見たのか」


「・・・たまたまでさァ」


近藤さんはしばらく黙っていたが、ゆっくりと口を開いた。



「あの外見のせいで、あの子は町の子供たちの恐怖対象になってしまったんだ。しかも無口で無表情だから余計にな・・・。あっという間に噂が広まって、あの子は行き場を失った。だから人に関わりたくないらしくて、あの服装なんだ。仕方ないんだよ。」



俺は話を聞いているうちに、だんだんイライラしてきていた。
それは、翡翠にでも、近藤さんに対してでもない、行き場のない怒りだった。