「じゃあ詩優ちゃん、食べ終わったらいつも通り食器類は廊下のコンテナに入れてね。」
「了解ですっ!」
あれから私は勉強することに決めて、無事朝ごはんの時間を迎えた。
最初から勉強すればよかったとも思ったけど…。
「いただきまーす」
黙々と用意されたご飯を食べる、食べる、食べる。
ふむ、今日もこの薄みなおかずは変わらないのですね。それでも、美味しいと思う私って味覚おかしいのかな。

「ごちそうさまでした!」
今日の一食目も完食です。私ってえらい!
「さてと…」
食器を置きに行きますか。
まずは、食器を持ちます。その次に、ドアまで歩いていき、両手が塞がっているので、足を器用に使いドアを開けます。
「ほっ!」
開けたドアはちゃんと閉めましょう。
はい、そして目の前にコンテナがあります。
置く場所は特に決まってないので、上から2段目のど真ん中に置きましょう。
特に理由はない。気分で。

そして、帰る前に確認することがひとつあるのです。
そう、それは…
隣の病室に来るあたらしい患者さんの名前!
「ほ、う、じょー、せいや…?」
でいいのかな?
わからん…。
「詩優ちゃんおはよう」
「橘さん!おはようございます。あの、ここの病室の人の名前分かりますか?」
「あぁ、ここの病室の人の名前はし、ず、や君よ。詩優ちゃんと同い年だから、仲良くしてあげてね」

北条…静也…?
ほうじょう…しずや…
しずや…
もしかして
「しず君…?」