キミ色ノート

「何を院内で騒いでるのあなた達!!」
お母様来たー!!
「お、お母さん…」
明らかに真優の顔が真っ青になってってる。
しず君も、びっくりしたようで目を見開いて唖然としてる。
「お母さん!良かったー…」
「何があったの詩優?」
お母さんに聞かれるがままに私は一連の出来事を順々に話して言った。
すると、椅子で正しい姿勢で座ってた真優が冷や汗を垂らしていた。
おそらく、自分がこれから何をされるのかが分かったのだろう。
お母さんは話を聞き終わるなり鬼のような形相で真優を叱りつけた。

一通り終わると、
「北条君、ごめんなさいね、うちの真優が…。
ほら、真優も謝りなさい!」
「失礼な事言って…その…ごめんなさい。」
「詩優にも謝りなさい!」
「病院で騒いでごめんなさい…」
恐るべし母の威厳…と言ったところだろうか。男子嫌いな真優が男子に謝るなんて…お母さんが言わなきゃ絶対にしないだろう。

「僕こそすみませんでした。詩優さんの病室に来させてもらっているのに騒いでしまいました。悪いのは真優さんだけではなく、僕もなんです。すみません」
しず君の切実な謝罪が思いもしない事だったようでお母さんはびっくりしている。
「まぁ!いいのよ、気にしないで?全ての元凶はこの子なんだから!」
と言いつつ、お母さんは真優の背中をバシッと叩いた。
「いだっっ!!」
真優、痛そう…
「北条君は詩優と約束してたんでしょ?先に済ませちゃっていいわよ!私達はお見舞いの品でも買って出直して来るわね!」
「そんな!家族の団らんを優先してください!
せっかく来てもらったのに…詩優さんに申し訳ないです」
「いいのいいの!気にしないで!ほら真優、行くわよ。詩優、また戻ってくるからね?」
放置されていた私はただお母さんの言うことに返事をすることしか出来なかった。
話の流れについていけなかったっていうのもあるんだけどね…。
「分かった、気をつけてね!」
「はーい、それじゃまたね!北条君も!」
「はい、ありがとうございます!」

お母さんは真優を引きずって私の部屋から出て行った。
真優、帰ってくる頃には無事でいられるといいんだけど…。