弟はドラゴンで




「唯が、いなくなる夢。」


「え。」




小学生の時と同じことを言い出して、驚いた。


そして、龍は続ける。




「唯が、誰かに連れてかれて、探しても探しても見つからなくて……でもようやく見つけたと思ったら、唯は俺のこと忘れてた。俺から離れてく唯を、追いかけても追いかけても追いつかなくて、いつの間にか、唯はいなくなってた。」




龍はベッドの上であぐらをかいて座り、うつむきながら、そう話した。





「…………子供か!」




私の言葉に、龍は「えっ!?」という顔をする。


私は龍が乗っているベッドに自分も乗った。


そして、のそのそと壁際の方に移動し、ボフンと枕に頭をつけ、寝る体勢に入る。




「そんなに私がいなくなるのが怖いわけ?」




龍を見て、私はそう尋ねてみた。