弟はドラゴンで




「唯……っ」




龍が、私の肩に腕をまわす。




「…………ありがと……龍……凛…………」




声がうまく出ない。


さっきはあんなに、柳くんに怒鳴ったのに。


あんなに柳くんに対して、怒りでいっぱいだったのに。


男たちに殴られたり蹴られたりしたことを思い出すと、また自分は酷い目にあったという実感が湧いてくる。


自分の感情がわからない。


酷いことをされた相手のこと、すごく怖かったはずなのに


一度はその相手に棒を振りかざすほど怒って


「怖い」なんて感情どこかに飛んでいってて。


なのに、こうやって凛や龍に優しく触れられると


安心したのか


なぜか涙が止まらなかった。


変なの。


自分のことなのに、よくわからないなんて。