「唯!!!」 背後から、勢いよく腕を掴まれる。 龍だ。 「龍。」 「……もういいから。こんなやつのために、唯が手を汚す必要はない。それ貸せ」 龍は、そっと私の手から棒を抜き取った。 「…………でも、龍が」 「俺、唯が傷つけられた姿を見て、こいつのこと半殺しにしてやろうかと思ったけど、今ので気ぃ抜けた。唯の方がうわてだったみたいだ。」 龍はそう言って、私の頭にポンッと手のひらを乗せる。 怒りに満ちていた私の心は、まるで魔法のようにふわっとやわらいだ。