弟はドラゴンで




「大丈夫だよ、私と柳くんはクラスが別だし、話すきっかけもないから」




目の前に置かれてあるメニュー表をペラペラとめくりながら、私はそう言った。




「……うん」




それでもまだ、浮かない顔をしている龍。




「大丈夫だって!せっかく美味しいもの食べに来たんだから、もっとテンション上げよ!」


「……そうだな!」




私がもうひとつのメニュー表を龍に渡すと、少しまだ浮かない顔が残っていながらも、龍はメニュー表を受け取って私に笑みを見せた。




心配性だな、龍は。




そんなことを思いながら、私はメニューをじっくり見る。