弟はドラゴンで




そんなこんなしているうちに、あっという間に2時間半が経ち、順番がまわってきてお店に入ることができた。




「あ、じゃあ、またね柳くん」


「おう!また明日な!」




私は柳くんに別れを告げて、怒ったような顔をしている龍と案内された席に着いた。




「ねぇ龍どうしたのよ、ずっと不機嫌そうな顔して」




私の前に座る龍に問いかける。




「……いや、不機嫌っていうか」


「怒ってるの?」


「怒ってない」


「じゃあなんなの」


「……あいつ、嫌な感じがすんだよ」




少し間を置いて、龍は答えた。




「あいつって、柳くん?」


「あぁ。なんていうか、うさんくさい。怪しい。」


「えぇ?どこが?」


「……醸し出してるオーラもそうだけど……目がな。」


「目?」


「あぁやって、顔は笑ってるように見えても、目が、目の奥が……笑ってなかった」


「なにそれ?」


「あいつは、何考えてるかわかんねぇ奴だ。唯、気をつけろよ」




やけに真剣な顔をして、そう言葉を放つ龍。


私にはあまりよくわからなくて、少し首をかしげた。




「まぁ……うん?」




一応、了解はしたけど……何に気をつければいいのかイマイチわからない。




龍には柳くんがどう見えたんだろ?


まぁ、人それぞれ見え方って違うしな。


私はあんまり気にしてなかったから、特にどうとも感じなかったけど……。


そもそも柳くんとはクラス別だし、そんなに関わる理由とかないしなぁ。


ま、たまたま会ったから話しかけられただけだし、ああやって話すのも今日限りでしょ。