「いやぁ、いいなぁ龍くんは!俺らみたいに男だけで来るとなんか寂しく感じるわ……」
「…………」
龍は世間話にも応じようとしない。
さすがにこれ以上変な空気になるのはやばいと思った私は、自ら話に入っていった。
「か、彼女とかと来ないの?」
「いやいや彼女いねーし!」
「あ、そうなんだ」
「うん、片桐さんみたいな彼女いたら、毎日幸せだろうけど」
「えっ」
突然の柳くんからの言葉に、私は戸惑ってどう返していいかわからなくなってしまった。
「その口一生喋れねぇようにしてやろうか……?」
すると、龍が口を開いたと思ったら、とんでもなく怖いことを言い出した。
「ちょ、ちょっと!何言ってんのよ!?っていうか、柳くんはあんたより年上なんだから、もうちょっと言葉遣い気をつけなさいよ!」
こそこそと、なるべく龍にしか聞こえないようにそう言うが、龍は聞く耳持たず。
というか、聞いていても流されてんのかも……。
なんでこんなに対抗心燃やしてんだ……。
今日の龍、なんか変。
「ははっ冗談だって!そんなムキになんなよ」
柳くんは笑ってそう言ってくれるけど、私はハラハラものだ。
「ごめんね、柳くん。龍が失礼なこと……」
「いや、俺も悪かったよ。ふざけるようなこと言っちまって」
「そんな……」
謝る私に、少し反省したような表情を見せて、柳くんも謝ってきた。

