「り、龍!起きて!朝だよ!」
ぺちぺちと私は龍の顔を叩きながら起こす。
「ん〜?もちょっとだけ……」
そう言って、龍は私を強く抱き寄せると同時に、龍の翼が私を包み込むように覆いかぶさる。
龍がどアップで私の視界に入ってきた。
長いまつ毛。
サラサラとしたストレートの黒髪。
筋肉の引き締まった頑丈な腕。
背中から生える立派な翼。
そして、あたたかい体温。
私を抱き寄せる力は、身動きが取れないくらい強い。
だけどとても……優しい。
まるで、大切なものを抱きしめるみたいに……。
それがとても心地よくて、安心する。
私を包む腕は、小さい頃の時とはまた、全然違くて。
なんていうか…………
“男の人”なんだと
感じさせられる。

