私が2歳になった時に、弟ができた。



弟は、お父さんが山で捨てられていた赤ちゃんを見つけ、連れ帰って来たのだそう。


その赤ちゃんには小さな翼とツノが生えていて、ファンタジックな思考の持ち主だったお父さんは、その不思議な姿をした赤ちゃんに興味を持ったんだとか。




天然要素満載のお母さんは、

そのお父さんが連れ帰ってきた不思議な姿をした赤ちゃんを見て、「捨てられていたんじゃ見捨てられない」と言って、育てることにしたらしい。




赤ちゃんは、翼とツノを生やした人間の姿から、時々ドラゴンへと変化したり、火を吹いたりしたことから、


この子の本当の姿は「ドラゴン」なのだと確信づけたらしく、


「ドラゴン」にちなんで「龍」という名前をつけたそうだ。




ちなみに私は、一緒に成長してきた弟に翼やツノがあることを、別に変だと思わない。


想像上の生き物が現実にいることについても、おかしく感じない。


「人間ではない」なんて、今更思えない。


誰の子かわからなくても、血は繋がっていなくても、弟は弟。


だって、気づいた時からずっと一緒なんだもん。