渉くんは未だに楠さんの腕を引っ張り駄々をこねる。

「わかった!わかったから離せ!邪魔だ!」

楠さんは仕方なさそうに言う。


そんな姿がおもしろくてクスッと笑う。

「あ!結衣さんも行きましょう?陽人さんの奢りですよ!」

「はぁ?何言ってんだよ!割り勘に決まってんだろ!」

楠さんは意地悪な顔をしてニヤリと笑う。

すると渉くんは不服そうに

「陽人さんの意地悪!」

と言って、ベーッと舌を出していた。

「結衣ちゃんも良ければどう?」