坂道のカフェ 〜好きって言ってもいい?〜

いつもとはちょっと違う話し方。

気が抜けているような、意識していない話し方にもドキドキする。

「はい。」


帰り道、楠さんと話しながら夜道を歩く。

右手はしっかりと繋がれていることが嬉しい。

「ねえ結衣ちゃん、俺の事楠さんって呼ぶのやめない?」

唐突にそんなことを言う楠さん。

「えっ、何でですか。」

「仮にも彼氏になったわけじゃん?だからせめて名前で呼んでほしいなって。そう思わない?結衣。」